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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」

トム・ホランド演じるスパイダーマン3部作の最終章である「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」は過去のトビー・マグワイア版と、アンドリュー・ガーフィールド版のスパイダーマンをも含めた「マルチバース」という手法を取り入れた集大成的な内容の作品でした。

マルチバース(多次元宇宙論)は理論物理学と呼ばれる分野の、かなり複雑な理論のようですが、アメコミにおいては、「いろいろな宇宙が存在し、同じようなキャラクターがそれぞれの宇宙で同じような生き方をしている」というようなことだと思われます。

(DCの今年公開予定「ザ・フラッシュ」でもマルチバースにより、過去にバットマンを演じたマイケル・キートンとベン・アフレックがそれぞれバットマン役で出演するようです。)

前作「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」は、主人公ピーターが秘密にしていたスパイダーマンであることが全世界の人々にバレてしまったシーンで終わりました。

今作では、ピーターがドクター・ストレンジに魔術により人々の記憶から自分がスパイダーマンであることを消してほしいと依頼しましたが、そのことが災いしてドクター・ストレンジの呪文によりマルチバースの扉が開いてしまい別の宇宙でスパイダーマンと戦ったヴィラン達が出現してしまうという物語。

主人公ピーターを演じるトム・ホランドとヒロインMJを演じるゼンデイヤは、私生活でも恋人同士とのことなのでその演技に注目です。ベネディクト・カンバーバッチ、ウィレム・デフォー、ジェイミー・フォックスなどの名優も出演しており、他に、集大成にふさわしいサプライズ的な俳優も出演していました。

ヴィラン達への救済という心優しいピーターの想いが思わぬ悲劇を生みだしてしまいますが、それでも信念を貫く姿が描かれた、大人から子供まで幅広い層が楽しめる作品です。


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「ハウス・オブ・グッチ」

1995年、イタリアの老舗ブランド グッチの3代目社長マウリツィオが路上で何者かに銃殺され、その首謀者が妻であるパトリツィアであったという衝撃的な実際の事件を、1970年代から1990年代を舞台に、事件に至るまでの二人の関係とブランド創業家であるグッチ一族が骨肉の争いにより崩壊していく過程、更にはその後の新たな資本になってからのトム・フォードの起用によりブランドが復活を果たすまでを描いたリドリー・スコット監督による作品。

1997年のジャンニ・ヴェルサーチの事件は知っていましたが、グッチの事件はこの映画を見るまでは知りませんでした。

これまでにリドリー・スコット監督は、エイリアン、ブレードランナー、ブラック・レイン、グラディエーター、ハンニバル、悪の法則など数々の優れた作品を生み出し、そのジャンルはSF、アクション、スペクタクル、スリラーなど多岐にわたり、正に巨匠と呼ぶにふさわしい監督です。 

出演はパトリツィア役をレディー・ガガ、マウリツィオ役はアダム・ドライバー。グッチ家の人々としてアル・パチーノ(レディー・ガガと同じくイタリア系アメリカ人)、ジャレッド・レト(特殊メイクにより全く別人の容姿で出演)、ジェレミー・アイアンズ(ベン・アフレック版バットマンで執事アルフレッド役でした)。そして、現在グッチを保有しているフランスを本拠地とする企業「ケリング」の会長の妻であるサルマ・ハエックが、パトリツィアの専属占い師でありマウリツィオの事件にも関係がある役を演じているのは、監督が意図的にキャスティングしたのでしょうか?

音楽はブロンディ、デヴィッド・ボウイ、ジョージ・マイケルなどの曲、クルマはランボルギーニ・カウンタック、マセラティ・インディ、初代フィアット124スパイダー、ポルシェ924とおそらく第2世代911タルガ、アウトビアンキA112、アルファ ロメオ75と155のパトカーなど映画で描かれた年代のものが使用されていたので、衣装・装飾・小道具なども当時にこだわって制作されていると思われます。

それにしても、本作で描かれたグッチ家のスキャンダルは創業家による家族経営時代の事件であり、現在のグッチは全く別資本の会社なので関係ないと言えばそれまでですが、ブランドのイメージを考えると「よろしくない」と思われる内容の映画なので、これを許す寛容さはなんとなくイタリア的だと感じました。アラン・ドロン主演の古い伊仏合作フィルム・ノワール「ビッグ・ガン」ではマフィアがアルファ ロメオのディーラーを装って暗躍しているという設定でした。もちろんフィクションなのですが、この映画を見た時にも、イメージ的なことを考えると、アルファ ロメオの余りにもなおおらかさに驚きました。

「ハウス・オブ・グッチ」は夫婦間に亀裂が生じる過程が描かれた内容なので、デート向きではないと思われます。

しかし、とても見応えのある良いサスペンス映画でした


「キングスマン:ファースト・エージェント」

表向きはロンドン・セヴィルロウ通りの高級テーラー。しかし裏の顔は世界平和のために活躍する、どこの国家にも属さない最強のスパイ機関「キングスマン」。

前2作は現代が舞台でしたが、最新作のシリーズ第3弾「キングスマン:ファースト・エージェント」は1900年代初頭を舞台にキングスマン誕生の秘話が描かれたオリジン・ストーリー。

第1次世界大戦前後の歴史上の実際の出来事を描き、それらにまつわる実在の人物を登場させ、そこにフィクションであるキングスマンの活躍を組み込んだストーリー展開となっている意欲作で、「1917 命をかけた伝令」を思い起こさせるようなシリアスな戦場の描写や、父と子のヒューマンドラマなども盛り込まれており、「不真面目さ」が売りの従来のシリーズとは、かなり異なるトーンのシーンもありますが、これはマシュー・ヴォーン監督が意図的に仕組んだことと思われ、ちゃんと過激なアクションやブラック・コメディも健在です。

戦争を勃発させ人々を混乱に貶めようとする「謎の悪の組織」がイギリス帝国、ロシア帝国、ドイツ帝国、アメリカ合衆国などに送り込んだのは歴史上のある実在の人物達。

世界平和のためにその企みを暴くのはイギリス貴族のオックスフォード公。貴族ならではのある情報網を駆使して悪の組織から送り込まれたヴィラン達と戦います。

その中でも1番の強敵はロシア帝国・ニコライ2世の元に送り込まれた、夢に出てきてしまうのではないかと思われるほど、かなりインパクトの強いキャラクターが描かれている怪僧ラスプーチン。オックスフォード公とラスプーチンのバトルは見どころの1つです。

主人公のオックスフォード公を演じたのは007のM役でも知られるレイフ・ファインズ。

キングスマン創設メンバーの1人ポリーを演じたのは「007 慰めの報酬」で MI-6 の諜報員を演じたジェマ・アータートン。

といったように007と縁のある俳優も出演しています。

史実とフィクションをたくみにミックスさせた、予測できないストーリーは荒唐無稽ではありますが、とても楽しい仕上がりとなっていました。

年末年始のデートにもおすすめの映画です。


「マトリックス レザレクションズ」

映画「マトリックス」は、斬新でスタイリッシュなアクションシーンばかりでなく、人々が現実と思っている世界は機械が作り出した仮想空間で、実際には人類は機械に支配されているという世界観の中に神秘的な要素も盛り込んだ哲学的とも言われたストーリー。

その後、多くの作品に影響を与え www.youtube.com/watch?v=y1qTP3xYgoU のようなパロディCMまでも存在しました。

18年前に「マトリックス」3部作は、主人公ネオ(キアヌ・リーブス)とヒロインのトリニティ(キャリー=アン・モス)の死をもって完結。

メタバースといった言葉がニュースなどでも話題になっている現在。

今年9月8日に世界同時配信となった最新作「マトリックス レザレクションズ」の予告動画では、死んだはずのネオとトリニティが18年という歳月を重ねた容姿で登場し、モーフイアス(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)だけは若い姿で登場。赤いカプセルと青いカプセル、白うさぎのタトゥーなど1作目の象徴的な映像も確認できました。謎に満ちた予告動画は本編がどのような物語になっているのか様々な想像を掻き立てました。

結果、このシリーズの生みの親であるラナ・ウォシャウスキーが監督・脚本を手掛けた「マトリックス レザレクションズ」は、謎を回収しながら過去作との整合性を違和感なく引き継いだ新たなマトリックスの物語を復活(resurrection)させたのです。

複雑な物語ではありませんが、その世界観、意外な過去作の登場人物、過去作へのオマージュやそれを笑いにしている描写などのことを考えると、事前に3部作を見ておかないと作品の魅力が半減してしまうかもしれません。

仮想空間の場面では富士山、桜、新幹線というステレオタイプな日本を描写した東京が舞台となるシーンや、以前の「マトリックス」でキアヌ・リーブスのスタントダブルを務めた「ジョン・ウィック」の生みの親であるチャド・スタエルスキが俳優として出演しているなど、思わずニヤッとしてしまうシーンも盛りだくさん。

ネオとトリニティのアクション&ラブストーリー 「マトリックス レザレクションズ」 

resurrection が resurrections と複数形になっている所が物語のポイントだと思いました。

デートにもおすすめの映画です。


「愛郷ぐんまプロジェクト」と「シン・ウルトラマン」のロケ地

新型コロナワクチン接種証明などの条件で、群馬県民が県内の宿泊施設に宿泊する場合に割引が適用される「愛郷ぐんまプロジェクト」を利用し「伊香保温泉」への一泊旅行へ出かけました。約2年ぶりの旅行です。

朝11時くらいに群馬県桐生市を出発し12時30分位に到着したのは「伊香保温泉」にほど近い「榛名湖」。

映画「シン・ゴジラ」のコンビ 庵野秀明さん(脚本・企画)樋口真嗣さん(監督)により現在制作中の「シン・ウルトラマン」公式ウェブサイトに掲載されているウルトラマンの写真の背景が「榛名湖」との情報があったのでそれを検証するために訪れました。

https://shin-ultraman.jp/

榛名湖畔に位置する榛名公園・ボート乗り場付近から湖を撮影してみると、どうやら本当にこの付近からの背景で間違いないようです。ウルトラマンの足元に映る特徴的なオレンジ色をした三角屋根の建物や左側の白い四角い建物、山並み等が一致します。

早期の公開が待ち望まれる「シン・ウルトラマン」。主演の斎藤工さんの役名は、化学特捜隊のハヤタ隊員なのでしょうか?そうだとすると共演の長澤まさみさんの役名はフジ隊員なのでしょうか?

2023年3月に公開予定の、庵野秀明さん脚本・監督の「シン・仮面ライダー」のロケも11月11日に群馬県高崎市で実施されたことが公式twitter にツイートされています。

(余談ですが、現在放送中の綾野剛さん主演のテレビドラマ「アバランチ」第4話では、群馬県みどり市の恵愛堂病院さんで撮影されたシーンがありました。)

「シン・仮面ライダー」公式ウェブサイトには主演の池松壮亮さんの役名は本郷猛、共演の浜辺美波さんの役名は緑川ルリ子と明記されています。本郷猛だとすると仮面ライダー1号のはずですが、このサイトには仮面ライダー2号のティザービジュアルも掲載されているので、もしかしたら別の俳優が一文字隼人の役名で登場する可能性もあると思われます。果たして、おやっさんも登場するのでしょうか?

プロモーション映像では、当時のオープニングを思い起こさせる懐かしの主題歌と共にサイクロン号やショッカーの怪人 蜘蛛男の姿が確認できます。

https://youtu.be/R2Xi85vmSfc

「シン・ゴジラ」の内容から推測すると、2本とも何らかのメッセージ性の強い作品になると思われます。

「榛名湖」を後にして伊香保温泉の観光スポット「石階段」を散策し、午後3時に今夜宿泊する「洋風旅館ぴのん」さんに到着。

徒歩5分ほどの「松本楼」さんの姉妹館なので、こちらの温泉にも入ることができます。

こぢんまりとしたアンティーク調の内外装が特徴的な「洋風旅館ぴのん」さんは、食事も美味しく、スタッフの皆さんのサービスも良く、雰囲気も良い、とてもコスパの高い宿でした。

おすすめです。

2021年 都道府県別魅力度ランキングにおいて、群馬県が前年度から順位を四つ下げ44位になったことから山本一太群馬県知事が「激おこ」のようですが、伊香保温泉、草津温泉などたくさんの温泉があり、多くの映画やドラマのロケ地にもなっている群馬県。次回は順位が上昇することを願います。


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