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古代ローマ帝国を舞台に、最強のグラディエーター【剣闘士】マキシマス(ラッセル・クロウ)とローマ帝国の暴君コンモドゥス(ホアキン・フェニックス)の闘いを描いた2000年公開の「グラディエーター」のダイジェスト版をアニメで描いたオープニングでスタートする「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」
第73回アカデミー賞で作品賞を受賞した「グラディエーター」の続編にあたる「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」は「ゴッドファーザー」以来のアカデミー賞で作品賞を受賞した作品の続編とのことです。
前作から数十年後、アカシウス将軍率いるローマ軍によるアフリカ大陸 ヌミディア侵攻により捕虜(奴隷)となりローマに連れてこられたルシアス(ポール・メスカル)は、奴隷商人マクリヌス(デンゼル・ワシントン)にグラディエーター【剣闘士】としての才能があることを見出されます。
やがてコロッセオ(円形闘技場)でグラディエーターとして闘うルシアスの姿を見たルッシラ(コニー・ニールセン)<現在はアカシウス将軍の妻となっているかつての皇帝アウレリウスの娘であり暴君コンモドゥスの姉>は、暗殺される恐れがあったことから辺境の地へ逃亡させた今は亡き最強のグラディエーター マキシマス との間に生まれた我が子であることをその仕草から確信します。
賄賂が蔓延るカラカラ帝とゲタ帝兄弟が共同統治をおこなっていたローマ。二人の皇帝による圧政に苦しむローマ市民。伝説のグラディエーター マキシマスの息子であり王位継承権もあるルシアスはローマ市民の自由獲得のために戦うことを決意するのです。
主人公ルシアスと母ルッシラそして回想シーンで登場する父マキシマスとの親子愛、名優デンゼル・ワシントンが安定の演技で見事に演じた暗躍する奴隷商人マクリヌスを中心とした権力争いといった人間ドラマが綿密に描かれており、そこに壮大なスケールのR15指定のバイオレンス感あふれる数々のアクションシーンが加わります。コロッセオを海水で満たし人食いザメを放った、海戦を模した二隻の船による戦いのシーンには特に圧巻されました。
前作「グラディエーター」に引き続き、今作「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」でも監督を手掛けた今年87歳になる巨匠リドリー・スコットは、父から子へと継承された物語を見事なスペクタクル超大作として完成させました。