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「フェラーリ」マイケル・マン監督 最新作


2024/07/10 10:44

1966年に開催されたル・マン24時間耐久レースでのフェラーリとフォードの熾烈な争いを描いた2020年公開の名作「フォードVSフェラーリ」では製作総指揮を務めた巨匠マイケル・マン。

マイケル・マン自らがメガホンを取った最新作「フェラーリ」は、監督の30年以上にも及ぶ構想がついに実現した作品。

2本の作品は、登場人物のヒューマンドラマがとても丁寧に描かれている点と巧みなカメラワークによる臨場感溢れる迫力のレースシーンが再現されている点が共通しているものの「フォードVSフェラーリ」はホットで華やかなのに対し「フェラーリ」はクールで渋い印象を受ける正反対な仕上がりになっているように感じました。

正反対と言う点においては、今作「フェラーリ」の主人公であるモデナ・マラネッロを拠点とするフェラーリ社の創業者であるコメンダトーレ(騎士団長)と呼ばれた男エンツォ・フェラーリの複雑な人物像にも感じられ、タイムアタック中のドライバーが目の前でクラッシュして亡くなってしまったのにも関わらずポーカーフェイスのままですぐに代わりのドライバーに連絡を取るという冷酷な一面を見せたかと思うと、24歳という若さで病死してしまった愛息子ディーノの墓前で涙する姿や、早朝まだ寝ている愛人リナと2人の間に誕生した息子ピエロ(現在はフェラーリ社の副会長)を起こさないようにそっと部屋を出たエンツォはクルマのエンジンをかけずにクルマを押して出かけるという愛情や優しさが感じられるシーンも描かれています。映画を見終えての感想としては本当の所はわかりませんがエンツォの冷酷さは、肉親やドライバーと言ったあまりにも多くの身近な人々の死の悲しみを乗り越え、自分の会社を存続させレースに勝つための仮の姿であったように感じられました。

1957年 苦境に立たされていた59歳のエンツォ。設立して10年目の会社は倒産寸前。1年前に最愛の1人息子ディーノを亡くしたのをきっかけに妻ラウラとの関係も冷え切ってしまっています。公私ともに絶体絶命な状況のエンツォはイタリア全土を1000マイル縦断する公道レース ミッレミリア に参戦して優勝する事で起死回生を図る決意をします。

エンツォ・フェラーリの一筋縄では行かない人物像を見事に演じたのはアダム・ドライバー。

ブラック・クランズマン(スパイク・リー)、ハウス・オブ・グッチ(リドリー・スコット)、公開が控えているメガロポリス(フランシス・フォード・コッポラ)など巨匠と呼ばれる監督の作品に多数出演しています。

ペネロペ・クルスは愛する息子を亡くした上に、夫エンツォの不貞に苦しむラウラを熱演。ラウラ抜きにしてフェラーリの歴史は語れない事を映画を見て知りました。

フェラーリの若手ドライバー アルフォンソ・デ・ポルターゴを演じたガブリエル・レオーネはNetflixのドラマ「セナ」で今年没後30年を迎えた伝説のF1ドライバー アイルトン・セナを演じるとの事。

「ヒート」「インサイダー」「コラテラル」「マイアミ・バイス」「パブリック・エネミーズ」などこれまでに男たちの闘いを描いてきたマイケル・マン監督。

新作「フェラーリ」では「エンツォ」そしてシートベルトなどの安全装備が無く今以上に死と隣り合わせだった時代の「レーシングドライバーたち」の「家族」の物語を描いており、教会やオペラのシーンに異なるシーンを織り込むという手法には「ゴッドファーザー」のクライマックスを思い浮かべずにはいられませんでした。

レースシーンもリアルで、V12エンジン搭載のフェラーリ335SとV8エンジン搭載のマセラティ450Sのデッドヒートは極端な寄りのカメラアングルとかなり低い位置からのカメラアングルを組み合わせそこに迫力のエンジンサウンドをプラスする事により臨場感のある映像となっていました。そしてあの悲劇も恐ろしさを感じるほど克明に描写されています。

マイケル・マン監督は大人の雰囲気が漂う新たなレース映画の名作を誕生させました。

 

フェラーリが今年5月初旬に発表した新型車は「12 cilindri」(ドーディチ チリンドリ) 車名の通りに12気筒エンジン(しかもNA)搭載のスーパースポーツはかつての365GTB/4デイトナを彷彿とさせるフロントマスクでクラシカルでありながら未来的でもありフェラーリらしいとても美しく彫刻的なデザイン。

環境への配慮からEVへとシフトして行く流れの現在において、もはや天然記念物のような自然吸気 V型12気筒エンジン搭載のクルマを発売してしまうのですからやはりフェラーリは凄いと思います。




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