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アメリカでの公開から遅れること半年。ムビチケ購入特典である( コンチネンタルホテル ニューヨークのルームキーカード レプリカ)を手に入れ公開を待ち望んでいた、チャド・スタエルスキ監督による、キアヌ・リーブスが伝説の凄腕暗殺者ジョン・ウィックを演じる、シリーズ第4弾「ジョン・ウィック:コンセクエンス」の上映が開始されました。
あるサイトで、副題がHAGAKURE(葉隠)になるかもしれないとされていましたが、それは叶いませんでした。しかし武士道にも通じるような日本へのリスペクトが多数盛り込まれており、従来のスタイリッシュなアクションや色彩に加え、多くは語らずして登場人物たちの心理描写が映像により表現され、少ない台詞には重みがあり、ラストシーンもかなり感動的でした。予想を大幅に上回る良い作品だったので、もう1度映画館へ足を運ぼうと思います。
これまでの簡単な流れ。
ニューヨーク、ローマ、モロッコそして大阪などに展開する、暗殺者達の常宿「コンチネンタルホテル」には「ホテル内で仕事をしてはいけない」という掟があります。その掟を破りジョン(キアヌ・リーブス)は、今は亡き妻と2人で過ごした思い出の自宅を爆破した、裏社会を牛耳る主席連合(ハイテーブル)の幹部でありイタリアン・マフィアのドンでもあるサンティーノを報復のために、コンチネンタルホテル ニューヨーク内で暗殺してしまいます。その結果、主席連合の粛清対象となってしまったジョンは、世界中の暗殺者から命を狙われる身になってしまうのです。
そして、今作。
主席連合から送り込まれた数々の刺客達と戦ってきたジョンは自由を求め、ついに主席連合との全面戦争を決意します。それをサポートするのは、ジョンを擁護したことを理由に主席連合から狙われることになってしまったコンチネンタルホテル ニューヨーク支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)とコンシェルジュ シャロン(ランス・レディック)、ホームレスを装った犯罪組織を率いるキング(ローレンス・フィッシュバーン)。
一方、主席連合は、新たな刺客としてジョンの旧友でもある盲目の暗殺者ケインを、卑劣な手口で仲間に引き入れジョンの粛清を企てます。
その頃ジョンは、旧友である大阪コンチネンタルホテル支配人のシマヅの協力により、ホテル内に身を隠していましたが、そのことが主席連合の耳に入ってしまい、ケイン率いる主席連合の暗殺者達が大阪コンチネンタルホテルに大挙して攻め入るのです。果たしてジョンは主席連合を倒して自由の身になれるのか・・・・? ニューヨーク・大阪・ベルリン・パリなど世界各地で死闘が繰り広げられます。
この作品の見どころの1つは、様々なしがらみから戦わなければならいない状況に陥ってしまった旧友同士であるジョン、ケイン、シマヅという3人のキャラクターの、心の葛藤です。ジョンとシマヅは心の奥底ではケインと戦いたく無く、ケインもまた2人と戦いたくは無いのです。
大阪コンチネンタルホテル支配人 シマヅを演じるのは、アメリカを拠点に活躍する日本人俳優 真田広之。今作では「義を重んじる」重要な役柄で登場します。昨年公開のブラッド・ピット主演「ブレット・トレイン」でも、存在感のある演技を見せていました。
そして、明らかに座頭市の影響を受けていると思われる、盲目の暗殺者ケインを演じるのは、ブルース・リーの師匠イップ・マンを演じたこともある「宇宙最強の男」と呼ばれるドニー・イェン。
真田広之、ドニー・イェンという2人のアジア人アクション俳優が日本刀で戦うアクション、そして主役のジョンを演じるキアヌ・リーブスとドニー・イェンの銃を使用したアクションは、どちらのシーンも激渋でカッコ良かったです。
更に、ロンドンを拠点に活躍する日本人シンガー リナ・サワヤマが俳優として、大阪コンチネンタルホテルのコンシェルジュでありシマヅの娘であるアキラを演じ、キレのあるアクションを披露していました。
劇中の大阪のシーンは、大阪・道頓堀の街並みが映し出された後に大阪コンチネンタルホテルとされる建物の外観が映し出されるのですが、その建物は、なんと今年のゴールデンウイークに訪れた東京・六本木の国立新美術館だったのでとても驚きました。