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2020年、コロナ禍でロックダウン中のロサンゼルス。
シルベスター・スタローンは自身が監督・脚本・主演を務めた1986年、日本公開の「ロッキー4/ 炎の友情」の再編集を実施。
そして完成したのが「ロッキーVSドラゴ:ROCKY Ⅳ」
オリジナルの上映時間に対し3分増えた、94分の上映時間内に42分もの未公開カットを取り入れ再構築した今作は、試合前のボクサーが減量するかのように、無駄な部分をカットして、ロッキーとアポロ、エイドリアン、ポーリー、そしてドラゴとの関係性をより濃密に描いているように感じました。
とは言え、ストーリー展開は同一で、サバイバーのBurning Heart、Eye of the Tiger、ロバート・テッパーのNo Easy Way Out、そして,自身も劇中に登場しているジェームス・ブラウンのLiving in America などの音楽はそのままです。
「俺たちは、ファイターとして生まれた。挑戦や何かに立ち向かうことが無くなったら、戦士は死んだも同然なんだ。」「お前は、虎のような目をしていた。」「俺は、ファイターなんだ。それは変えられない。」「誰でも変わることができるんだ。」などの熱い台詞のオンパレード。
東西冷戦時、イタリアン・スタリオンこと、ロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン)のかつてのライバルであり、今では盟友となったアポロ・クリード(カール・ウェザース)は、ソビエト連邦のボクサー イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)の強烈なパンチにより、リング上で死んでしまいます。
盟友の死を目の当たりにしたロッキーはドラゴとの戦いを決意するも、13歳若く、30㎝の身長差があるドラゴに、勝てるわけがない、自殺行為だと周囲は反対します。しかしロッキーは「人生には何かをやり遂げないといけない時がある。他のみんなが反対しても、自分にとって正しいことなら・・・すべきことをしろ。」と息子に言い残し戦いの地、ソビエト連邦へ旅立つのです。
雪道でのランニング、丸太を抱え上げるなどのトレーニングを重ねるロッキーに対し、ドラゴは最新鋭のトレーニングマシーンを使用しての、殺人マシーンと呼ばれるにふさわしい科学的なトレーニングを実施。
更に、アウェイという圧倒的に不利な条件下での試合に、ロッキーはドラゴを倒すことができるのか?
試合に反対していた妻エイドリアン(タリア・シャイア)も、ロッキー応援のためにソビエト連邦に訪れ、ついに戦いのゴングが鳴り響きます。
試合会場の貴賓席には、ソ連書記長と紹介される人物が登場しますが、名前こそ出ないものの誰がどう見ても、先日亡くなられたゴルバチョフ氏にしか見えない容姿の俳優が演じています。その人物の描き方が、オリジナルと今作では異なる点に注目です。
この映画の編集時は、ロシアのウクライナ侵攻以前のはずです。この変更点には、現在のロシアとアメリカをはじめとする西側諸国との関係を暗示しているかのよに感じました。
群馬県では、イオンシネマ太田で現在上映中、前橋シネマハウスでは、9月24日~上映、高崎電気館では10月16日に1回のみ上映