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冒頭から約20分間にも及ぶ最初のシーンでは、主人公が乗る蛍光グリーンの派手な色のアルファロメオ・ジュリア クアドリフォリオが、フェラーリ由来 2.9リッターV6ツインターボエンジンの暴力的なエキゾーストノートを奏でながらフィレンツェの石畳の狭い道を、敵が乗るメルセデス、BMW,アウディのドイツ御三家やランチア・デルタ、マセラティ・クアトロポルテなどのイタリア車とのバトルを繰り広げます。
スピーディーで独創的、複雑なカメラワークのカーアクションシーンは、ダビデ像が佇む美術館内でも繰り広げられ、どのようにして撮影したのだろう?と思わせる派手な演出です。製作費もかなりかかっていると思われます。
ここまででは、ストーリーが全く理解できませんが、冒頭のシーンだけでクルマ好きであれば満足できてしまうかもしれません。しかし、ここから徐々に全体像が明らかになっていきます。
億万長者、元CIA,元殺し屋、元侵入犯、医者、元デルタフォース狙撃手などが、自分の死を偽造しチームを結成し、政府が関与できないテロリストや犯罪者を粛清。今作ではクーデターを誘発し某国の独裁者を倒して、民主派であるその弟を政権の中心とするための作戦を繰り広げます。
監督は破壊王の異名を持つバットボーイズ、ザ・ロック、アルマゲドン、トランスフォーマー、などを手掛けたマイケル・ベイ。
今作を見て、何となく演出の一部が、ヒート、マイアミバイス、コラテラルなどで知られるマイケル・マン監督の作品に似ているように感じたので調べてみると、マイケル・ベイ監督はマイケル・マン監督が制作総指揮をしていたテレビ版のマイアミバイスに俳優として、脇役で出演したことがあるようです。おそらく、マイケル・マン監督から何らかの影響を受けていると思われます。
主役のワンを演じたのは、デッド・プールのライアン・レイノルズ。
アクションシーン満載でシリアスなストーリー展開の中に、何故かボルグ、マッケンロー、ナブラチロワ風に変装して侵入し、ターゲットを暗殺するなどユーモラスなシーンが散りばめられているのは、主演と脚本がデッド・プールと同じ人物だからこそ。
Netflix オリジナル映画なので、今のところ映画館では見ることができませんが、大きなスクリーンで見てみたい作品です。