|
カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞し話題になっている是枝裕和監督の作品「万引き家族」。
過去に是枝監督の作品は「そして父になる」、「海街diary」の2作品しか見ていませんがこれらは家族を描いていました。今作もタイトル通り家族をテーマにした内容でした。
働いているのに低収入で生活が出来ない為、年寄りの年金と、子供を含めた家族ぐるみでの万引きを繰り返しながら生きている家族。
犯罪、ワーキングプア、児童虐待と言ったテーマを扱っているのにも関わらず、そこには悲壮感が漂っておらず、むしろ温もりやユーモアさえ感じるのは家族の絆や愛を丁寧に描いているのと、リリー・フランキーさんと樹木希林さんのキャラクターがなせる業。
家族で食卓を囲んでの食事をするシーンが多用されていたのは、家族団らんと言う事柄のひとつの象徴だからだと言えます。
端から見ていると不幸としか思えない状況も、当事者からしてみると案外、幸せだったりする状況。
行政におけるセーフティネットと現実とのギャプ.
生みの親より育ての親なのか? 血が通っていないと本当の家族にはなれないのか?
これらが印象に残る映画でした。
家族をテーマにした映画として個人的に先ず思い浮かぶのは「ゴッドファーザー」シリーズ。
数々の名台詞が存在するこの映画シリーズの中でも、マーロン・ブランド演じる父ヴィトー・コルレオーネがアル・パチーノ演じる三男マイケル・コルレオーネに「家族を大切にしない奴は、本当の男にはなれない」と言う台詞はこの映画を特に象徴していると思います。
「ゴッドファーザー」が家族愛をウエットに描いていたのに対し、「万引き家族」はドライに描いているように感じたのは、物語を淡々と描いているからだと思います。
デートにも、お勧めの映画です。